第52章 D.C
【1日目・夜】
「今日の晩ご飯は、鍋にしてみたよ!」
「3人で作った お鍋。凄く美味しそうでしょ?」
「ほとんど俺と龍が作ったけどな」
「ボクだって、しいたけ洗ったりしたのに」
「キノコは洗うんじゃねぇよ!」
「ははっ、まぁまぁ。結果的に美味しそうに仕上がったんだから良いじゃないか。ほら、いただきますしようよ!」
鍋の美味しい季節になった。そんな今宵のメニューは、寄せ鍋。本当は作るシーンも入れたかったが、尺の都合でカットだ。
ほこほこと白い湯気の立つ鍋を囲む3人。両手を合わせて声を揃える。
「「「いただきます」」」
龍之介が、菜箸とお玉を使ってメンバーのとんすいに具材を入れてやる。
微笑ましい食事風景。見ているこちらの心も和むようだ。
「やっぱ鍋はいいよな。適当に具材入れて煮込むだけで美味い」
「この季節になると、週に1回 鍋でもいいなぁ」
「…ねぇ。火、よわ にして」
「「……よわ」」
「なに?」
突然、天の口から可愛らしいワードが飛び出した。私も、つい吹き出してしまいそうになるのを堪えた。
「はは!なんだよ それ。お前、強弱のこと、つよとかよわって言ってんのか?」
「普通でしょ?」
「ま、まぁ意味は伝わるしね。じゃあ、中の事は何て言うんだ?」
「ちゅう」
「そこは普通なんだな!!」期待しちまった
普段は完璧に見える天の、意外と可愛らしい側面。
普段はクールを装う楽の、意外とノリの良い突っ込み。
普段はエロが担当の龍の、意外と面倒見の良いお兄さんっぷり。
普段とは少し違って見えるTRIGGERも、皆んなに愛してもらえたら私は嬉しい。