第51章 腹いせに変なとこ触ってやる
「YES。タマキの言う通り、春人氏は VERY COOLです!流れるようなキャラコン。敵を翻弄するレレレ打ち。武器の反動を感じさせないリコイルコントロール。何者も逃す事のないエイム力。そのどれもが、まさに神業」
「ナギっちが何言ってんのか、俺なんも分かんねぇ」
「大丈夫だタマ。分かる奴なんか誰1人としていないから」
おそらく彼の話が理解出来るのは、ナギの他には私と百くらいだろう。
「とにかく。ワタシがアナタに抱いてるこの想いは、好きだなんて生温いものなどではありません。もはや崇拝の域です。一生、ついていきます」
「ナギっち 重すぎ」
ナギからも熱い想いを受け取り、私の胸はもういっぱいいっぱいだった。しかし、唐突に始まった告白大会はまだ終わらない。
こういう話題には1番乗っからなそうな まさかのメンバーも、口を開くのだった。
「…私も…中崎さんの手腕にはいつも、舌を巻いています。計算高さや、先を見通す能力。本当に…あなたがライバル事務所の人間であることを、何度悔しく思ったか分かりません。
ですから…その、つまりは…私も、あなたのことが好…
そ、尊敬しています!」
一織は話している最中、メンバー達にニヤニヤした目を向けられている事に気付いたようだ。そして、最後は言葉を変えてしまった。それでも、彼の気持ちは十分過ぎるほどに伝わった。
「はは。愛されてんのな、随分。
言うまでないと思うけど、お兄さんだって この中の誰にも負けないぐらい、あんたの事が好」
「皆んなして どういうつもり?彼はボクの…TRIGGERのプロデューサーだよ。そんなふうに好き好き言ったって、絶対にあげないから」
「ちょ、お前なぁ!俺にだって、言うぐらい言わせてくれたっていいでしょうが!」
「言ったって無駄。だって プロデューサーを1番愛してるのは、このボクに決まってるんだから」