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引き金をひいたのは【アイナナ夢】

第51章 腹いせに変なとこ触ってやる




もう夜もすっかり更けている。そろそろ順番に、風呂へ行かなければまずいな。なんて話をしている時、何気なく三月が言った。


「オレさ、前からすげー気になってたんだけど。環って、春人のこと めちゃくちゃ好きで、めちゃくちゃ懐いてるよな。それってなんで?」

『え』


ドキっと心臓が跳ねた。どうか、自由奔放な環の言動が炸裂しませんように。心の中でそう願った。
そんな中、環は首を傾げ、平然と言ってのける。


「は?逆にさ。なんで皆んなは、この人のこと めっちゃくちゃ好きになんねぇの?」


環の言葉に、メンバー達は瞬きを数回。全員、環が語る続きを待った。


「いっつも一生懸命で、ちょーかっけーし。他人の為に、必死になれるのもスゲーよなぁ…。んで、そうやって頑張ってる時、めちゃくちゃキラキラしてて綺麗だし。
あ、あと、皆んなはあんま知んねぇかもだけど、この人、歌もダンスも すっっげー上手いから!
へへ。そういうとこ、俺、ぜーんぶ好き!」

『タ…四葉さん…』


思わず彼のことを、タマちゃん。と呼んでしまいそうになった。今の言葉を胸に入れた瞬間、危うく 春人がエリにバトンタッチするところだったのだ。


「…そうだよな。オレ達がピンチになった時、あんた 困ってるオレらを放っておかなかったんだよ。自分の担当アイドルの収録現場離れてでも、陸の衣装を取りに行ってくれたよな。
うん!今さらだけど、あの時はマジでありがとうな!環の言う通り、オレも春人の事、すげー好きだぜ!」


三月は、鼻の下を人差し指で擦りながら言った。少し照れた表情。今の言葉、社交辞令ではなく 彼の本心として受け取っても良いのだろうか。

だとしたならば、凄く嬉しい。

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