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引き金をひいたのは【アイナナ夢】

第51章 腹いせに変なとこ触ってやる




私に会いたい一心で、嵐の中を走って帰って来てしまうような環。きっと、ずっと我慢していたのだろう。会いたい気持ちを、心の中に押し込めていたのだろう。

そんな一途な想いを、自分に向けてくれる彼に。どうして怒れようか。


『…怒ってませんよ。貴方に怪我がなくて、本当に良かった』

「う…ぅう、もう、マジで好きぃ〜…!」

『はいはい。私も好きですよ』

「「!?」」


大和と天が、こちらにバッと顔を向ける。
しかしそれには反応せず、私は続ける。


『でも、逢坂さんにもマネージャーさんにも告げずに出て来たのは、いけない事ですよ』

「だって…帰るって言っても、ダメだーって言うに決まってっし」

『それでも。駄目です』

「う……はい」

「おぉ。鶴の一声ならぬ、春人の一声!」


その時。通話を終えた一織が帰ってくる。やはり壮五とマネージャーは、環のことを探していたらしい。
一織が、アイナナ寮に彼が帰って来た旨を説明してくれたとのこと。きっと2人は、ようやく生きた心地がしただろう。


「ですが、タマキが無事でなによりです。それに “ 何者か ” の正体がアナタで、私は心底ホッとしています…」

「は?何者か、って、何?」

「あー、こっちにも色々あったんだよ」


ナギは胸を撫で下ろし、大和もどことなく安心した表情だった。

環だけが状況を理解しておらず、まずは全てを説明するところから始まった。そしてその後は、答え合わせへと移行するのだった。

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