第51章 腹いせに変なとこ触ってやる
「言い知れぬ不安が、メンバー達を襲う。全員が気付いたのだ。この館の外に、誰かがいる!
嵐の中、洋館に閉じ込められた 7人以外の…何者かが。
ごくりと、生唾を飲んだ。その瞬間、全員が囲むテーブルの側にあった玄関扉が、ドンドンドンドン!!と叩かれた!」
ドンドンドンドン!!
「「うわぁぁあぁ!!」」
ナギと三月が、堪らず叫び声を上げた。その他のメンバーも、ビクっと体を反応させた。
大和の話と完全にリンクしたように、アイナナ寮の玄関が叩かれたのだ。驚くのも無理がないだろう。
「な、ななっ、何だ!?何が起こってんだよ!」
「ヤマト!プリーズ!降参です!もうやめてくださいっ!!」
「え、いや、俺は何も…」
ドンドンドンドン!!
玄関は再び強く叩かれる。一織が立ち上がった。
「私が見てきます」
全員が見守る中、ゆっくりと彼が玄関へと向かう。そして、覗き穴から外の様子を伺った。
「……誰も、いませんね」
「ちょっと二階堂大和。さすがに悪趣味じゃない?一体なにを仕組んだの」
「いやだから、俺は何も知らねぇんだって」
大和は、嘘を吐いているふうではない。彼の差し金でないならば、もしや本当に…
『…寮の外に、誰かがいる?』
私の言葉に、誰も答えない。
ただ、シーンと静寂が降りるだけであった。
「……洋館の外に誰かいるのは、確かだった。6人は」
「って!!続けるのかよ!!」
「え?だってなんか知らねぇけど、盛り上がってるし。利用しない手はないだろ?」
三月は 恐怖を打ち消したいのか、大きく叫んだ。ナギは、私の手を強く握って、口を開く事もやめてしまった様子。
一織と天は、どことなく落ち着かないふうではあるが、焦ったり怖がったりしているようには見えなかった。
私は、冷静に今の状況を分析していた。
まさか、幽霊の類が出るなんて可能性は、ないだろうから。ならば、残された可能性は…