第50章 お慕い申し上げておりました
「ダブルハンマー*24 に、こっちは…!プレデター帯*25 の、バッチです!」
『私も、それなりに このゲームが出来るって分かって貰えました?』
「そ、それなり…なんて、話じゃありません…。ひとつ、聞かせて下さい。アナタがこのゲームを初めてプレイしたのは、いつ頃ですか?」
『え?あー…たしか、4年くらい前…?』
「 UNBELIEVABLE!!ま、まさかアナタ!!アナタが伝説の…Lioだと言うのですか!?」
『!?』ビク
目をカッと見開いたナギが、ずんずんと近付いてくる。瞳孔が完全に開いている。とりあえず怖い。そして、彼が何を言っているのか理解出来ない。
瞬きを繰り返していると、今度は手を握られる。ナギが、望んで男の手を握る訳がない。だとすると、バレたのか?!私が女であると!Lioであったと!
部屋に、男2人が飛び込んでくる。それは、天と大和だ。彼らは今の状況を見て、フリーズした。
が。すぐに我に返ったように、私とナギをベリっと引き剥がした。
「こら、ナギ!やめなさい」
「プロデューサー、何があったの」
2人は、私をじっと見つめた。その目が、物語っていた。
“ ナギに話したのか? ” と。しかし、私には身に覚えがない。ふるふると首振ると、大和が再び口を開いた。
「…何があったのか、俺らにも分かるように説明してもらえる?」
「OF COURSE!このワタシが、喜んで語って聞かせましょう。彼が打ち立てた、伝説を!」
ナギは私を、彼女 ではなく、彼。と呼んだ。その事実に、とりあえず胸を撫で下ろす。
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*24 ダブルハンマー…1プレイで、4000ダメージを叩き出せば獲得出来る 凄いバッチ。
*25 プレデター帯…プラチナ、ダイヤ帯の さらに上の地帯。ちなみに この地帯へ上がれるのは、Ipexプレイ総人口の0.5%未満。