第49章 天にぃとラブラブだぁ
しかし、大和の王子様は意外と良かった。何故か天は不快感全開だったが。
正統派王子ではないものの、ちょっと粗暴な態度と口調。私は嫌いではない。
言うなれば、あれだ。
絵に描いたような正統派王子が住む大国の、隣国に住む友人王子ポジだ。
たまーに物語に現れては、その飄々とした物言いで話を盛り上げてくれるキャラクターである。
うん。やはり嫌いではない。
「じゃあ、お次は陸!よろしく」
「頑張ってね。七瀬さん」
三月と天の声に、はっとする。いつまでも大和王子のキャラ分析をしている場合ではない。
カメラの前に出て来た陸は、ズバっと言い放った。
「オレと、デートしてくださいっ!!」
どシンプルで来た。
「どシンプルで来たな!!でも分かりやすくてオレは好きだぜ!」
「あ、ありがとう三月〜!はぁ、緊張したぁ」
「っ、相変わらず、可愛い人ですね」
「デートに誘ってるのに、可愛いとか言うなよ!」
三月と一織の感想。陸はそれぞれに言葉を返していた。弟の勇姿を見守っていた天も、今はほっとしているようだ。
コメントも上々。
“ 可愛い ” “ 一生懸命で良い ” “ストレート素敵 ” などが寄せられた。
そして、いよいよ本命の2人の番がやってくる。
三月により、先に指名されたのはナギだ。
「よし…。ナギ、心の準備は出来たか?」
「OF COURSE!一昨日来やがれ、です!」
「うん!日本語はめっちゃ間違ってるけど、もうここまで来たらいっちょ かましてやれ!後悔のねぇようにな!」
「いやほんと頼むわ。もし また後悔が残って、こんな事に巻き込まれたら…。温厚なお兄さんでも、次は手が出ちゃうかも」
「同感ですね」
「そう?オレは結構楽しいけどな!」あはは
大和と一織はげんなりしていたが、陸は生き生きとしている。2人とは対照的であった。