第7章 どうやって僕達を、楽しませてくれるのかな?
百は私に、ひょいとコントローラーを投げて渡した。
「ほい。次は春人ちゃんの番ね!」
「僕の代わりに、モモを楽しませてあげてね」
たしかに、先ほどのプレイを見る限り、千では百の相手は全く務まらないだろう。
『……いいんですか?私ゲームはそこそこ出来ますよ?』
「お いいねぇ!このモモりんに勝つつもり!?ふっふーん、いいでしょう!遠慮なくかかってきなさーい!」
自慢ではないが、ゲームの類はアイドルを引退してからというとの、かなりやりこんだ。(時間があったから)
やり方もさきほどのプレイを見て覚えたし。こういうものは、結局センスが物をいうのだ。
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「やっりー!またオレの勝ちー!」
『…………もう一度です』
何故だ。何故 何回やっても勝てない。
毎回惜しいところまでは行くのだ。しかしあと1点。あと1点が百に及ばない。
「…ねぇ、どうせなら次のゲームは何か賭けたら?」
唐突に千が言った。
「さっすがユキ!それ面白い!賭ける物があった方が、春人ちゃんも燃えるよね!」
『いいですよ。では、私が勝てばTRIGGERに大きな仕事でも流してください』
私はコントローラーを操作して、着々と次のゲームを準備しながら言う。
「…ふふ。相変わらずTRIGGERは愛されてるね」
「ね。妬けちゃう〜。じゃあオレが勝ったら、もっともーっとオレ達の事楽しませてよ!」
『…望むところです』
そうして、私と百の 最終戦が始まった。
出だしは好調。操作感にも慣れてきたし、今度の今度こそは勝てる!
「やるねー、ほんと凄い吸収力」
百もいつの間にか真剣な表情だ。なかなか拝む事の出来ない彼の鬼気迫る横顔を眺めていたいが、そんな余裕は勿論無い。