第47章 《閑話》とあるアイドルの休日
「はぁ…なんなんだ、あんたは俺をどうしたいんだよ。こんなふうにイジって楽しいか?」
『楽しくないと言えば嘘になります』
「この正直者め!」
『冗談ですよ。はなから私は、天にも龍にも、秘密を漏らそうなどとは思ってません』
ずっと聞きたいと思っていた言葉が、簡単に出た。緊張の糸が緩む。
「だ、だよな!信じてるぜ、頼むから裏切るなよ」
『はい。大体 こんな一大スキャンダル、簡単に口に出来ませんよ。抱かれたい男No.1が、まさかの夢せ』
「や め ろ!!」
絶対に聞きたくないと思っていた言葉が、簡単に出そうになる。緊張の糸が張り詰めた。
「男なら、誰だって経験あるだろ。あんなもん」
『……』
「春人 まさか…無いのか?一回も?」
春人は何も答えない。そんな男がこの世に存在しているのが信じられない。
こいつ、どれだけ “ 不自由 ” してない生活を送ってやがる!
「まじかよ…。でも、とりあえずここは嘘でもいいから、あるって言っとけ。これじゃ、俺だけが恥ずいだろうが」
『わ、私だって…!えっと、その』
「なんだよ」
『たまに、本当にたまに、ですよ?
ちょっとだけ、エッチな夢を…見たりは、します』
「………っぷ!!
あははは!なんだそれ!んなこと、そんな顔真っ赤にして言うことかよ!」
『わ、笑いましたね!人が勇気を出してした告白を!!』