• テキストサイズ

引き金をひいたのは【アイナナ夢】

第7章 どうやって僕達を、楽しませてくれるのかな?




なんとか彼女に話を聞けないものか…。

などと考えていた その時。チャンスは唐突に訪れる。

カシャン。と、彼女のポケットからペンが地面へと落ちたのだ。


「あ、」


私はすかさずその場に屈み、落ちたペンを手に取る。

さりげなく眼鏡を外し、低い姿勢から女性を見上げて にこっと無邪気な笑顔を向ける。


『はい。どうぞ』

「あ…あらあら、ありがとうっ」


女性は、少しだけ上気した頬を隠すように 自らの顔に手をあてた。


「綺麗な子ね…、モデルさん?足長いわぁ…」


それはそうだろう。かなりのシークレットブーツを仕込んでいますからね。

まぁとりあえず、興味を持って貰う事には成功したようだ。


『あはは、そんな。とんでもないです。

実は、私 Re:valeの大ファンでして…今日は彼らの魅力に迫る為 密着させてもらってるんですよ』


前者は嘘だが、後者は本当。


「そうだったの。奇遇ね!私もあの子達大ファンなのよ」


また彼女がRe:valeの撮影風景に目を向ける。

その瞳はキラキラと光っていて。彼女が本当に、百と千が大好きなんだと 言葉は無しに語っているようだった。

相変わらず2人は戯れ合うように、楽しそうに被写体の役目を果たしていた。

カシャカシャと、無数に切られるシャッターの軽い音。目に残像を残す眩いフラッシュ。


『…あの、失礼ですが、いくつかお聞きしても良いですか?』

「えぇ、どうぞ」


全く嫌がるそぶりも見せず、彼女は快諾してくれた。


『どうして、Re:valeは…あんなにも輝いて見えるんですかね』

/ 2933ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp