第44章 余裕たっぷりの顔して そこに立ってりゃいい
「Re:valeさんはBスタ!TRIGGERさんはDスタ移動お願いしまーす!」
観客とMCは、このAスタへ残る。そして、BスタジオとDスタジオから映し出される映像をここで観る。という段取りだ。
まずは、Re:valeのステージからだ。その後に、TRIGGERの歌がここに流れる。
レイニー&ブルーを彼らが歌うのは、どれだけ早くても30分後くらい。
「じゃあ、俺達もBスタ行こうぜ」
「楽しみだね、2人がギザギザハートのララバイ歌ったら、どんな感じになるんだろ」
「……プロデューサー?」
Re:valeの収録を見学する為、Bスタへ歩き出した3人。しかし、私はAスタを出てすぐ 目を瞑って思考を巡らせる。
固まった私を見て、天はすかさず何かを察知して 声をかけた。
私は ある事を決め、ゆっくりと瞼を持ち上げる。
『…残念ですが、Re:valeの歌を生で聴くのは諦めて下さい』
「は?なんでだよ」
「春人くん…何か思い付いた顔してるね」
「当ててみようか」
天が、顎をしゃくって私を見て言う。
「レイニー&ブルー、パートの変更でしょ」
『その通り』
「はぁ!?そんな馬鹿な話あるか!こんな本番ギリギリに言い出す事じゃねぇぞ!」
「いや…俺も、その方がいいと思った」
「龍まで何言ってんだよ!そう思ったんなら、もっと早く言えって話だろ!」
「無理だよ。だって、俺がそう思ったのは、ついさっきなんだから」
「??」
龍之介が自分の気持ちを伝えるが、要領を得ない楽に痺れを切らせた天。
真剣な瞳で、楽を見上げ告げる。
「ボクらが、パート変更をした方がいいと感じたのは…。さっきのオープニングトークを収録したとき。
楽。レイニー&ブルーの 冒頭 を歌うのはキミだ」