• テキストサイズ

引き金をひいたのは【アイナナ夢】

第44章 余裕たっぷりの顔して そこに立ってりゃいい




「First Sound Entertainment?そのミクってアイドルも、聞いたことねぇな」


案の定 部屋にやって来た3人に、あらましを話す。

私が以前お世話になっていたこと、ミクの元プロデューサーだったという箇所は伏せた。

もしもミクとTRIGGERが直接、私の話をすれば厄介な事になるからだ。
ミクといた時は当然私は女の格好だったし、楽と龍之介は 私を男だと思っている。

“ こいつ、前はあんたのプロデューサーをしてたんだろ? ”
“ え?私の前のプロデューサーさんは女性ですけど… ”

なんて会話が私の前で繰り広げられるシーンを想像して、身震いした。


『まぁ、小さな芸能事務所ですから。あそこのタレントが扱っている案件は、主に営業です。テレビみたいな大きなメディアに露出するのはかなり稀ですからね。知らないのも無理はないです』

「そうなんだ。詳しいな、さすが春人くん」


感心してくれている龍之介には悪いが、自分の古巣なのだから知っていて当たり前なのだ。


「それで?どうして彼女をバックアップしたいの?」

「あんたのことだから、どうせTRIGGER成長の為に利用するんだろ」

「あぁ、だから彼女には早く有名になってもらわないと困る…ってこと?」

『貴方達が本気で私をクズだと思ってる事が分かりました』


私は、リモコンを手に取ってモニターのスイッチをオンにする。するとデッキに入っていたDVDが再生された。

すぐに、ミクの姿が映し出される。もう何度見たか分からないが 私も彼らに並び、モニターに熱い視線を送る。

そして、ミクが歌い出す前に告げる。


『べつに、今回の話はTRIGGERにメリットはありません。言うなれば、ただの私のワガママ…。個人的なお願いです。
特別な、思い入れがあるんですよ。彼女には』

/ 2933ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp