鈴の音が届く距離で2〜王政改革の章〜【進撃の巨人/リヴァイ】
第2章 :再来〜再会と豹変❶
〜調査兵団が壁到着まであと…〜
ハァ…ハァ…ハァ…ハァ
[マスター…少し休んだ方がいい。このままでは貴女のエネルギーが切れる]
雷獣:ライキが少女にそう言い、風狼:フェイも心配そうに見つめる。
『ダメ…。エレンが大岩で壁を完全に塞ぐまで…エレンをみんなを守らなきゃ!私に出来る事は…これしか…ないから。』
力を使い続け戦う少女は、肩で息をしながら汗を拭った。
[しかしこのままでは…貴女の生命エネルギーにも影響が出る。せめてレイを呼び戻し、我ら3体の力を集結させ…]
『レイは戻さない。あの店とおじさん達を守るって…約束…したから。』
深く息を吐き、言葉を続ける。
『大丈夫…まだ戦える。エネルギー源(菓子)はまだあと少しだけあるし、私だけ休んでなんていられないから。』
少女は微笑んだ。
[…了解した。だがせめて、力をセーブして欲しい。巨人を倒すのは他の兵士に任せ、貴女は気絶させるだけでいい。]
『…努力はする。』
そして刀を強く握りしめた。
同時に壁付近で、怒号と悲鳴が多数聞こえた。
(…ッ?!今の声…!)
少女は声の聞こえる方を、鋭く見つめる。
(運命を…変える!そう決めたから。必ず助ける…待ってて、イアン…ミタビ!)
古い友人達を助ける為に…少女は急ぎ、声のする場所へ向かったのだった。
エルヴィン達が壁の前に辿り着くと…先行してたミケ達の手によって、壁付近の巨人が倒されていた。
「ミケ、よくやった!よし…リヴァイ班はそのまま、壁の穴から中へ。その他の班は私に続き、立体起動で壁上へ…」
エルヴィンの言葉を遮り、目の前の穴が何かで塞がって行く。
「ッ?!何が起きた?」
「チッ…何が起こってやがる!」
エルヴィンとリヴァイは壁を見上げた。
「仕方ない。リヴァイ!」
「了解だ。俺の班は先行し、壁上から中へ入る!」
「「「「了解!!」」」」
リヴァイ班は立体起動を使い、壁上から中へ入った。
リヴァイが空高く上がり、下の様子を見ると…
生存する巨人2体と蒸気を上げる巨人の傍らに、新兵3人と長刀を持った美少女が1人…3人を守るように立っていた。
(リン…)
リヴァイはそう心の中で呟き、2体の巨人へブレードを振り下ろしたのだった。