鈴の音が届く距離で2〜王政改革の章〜【進撃の巨人/リヴァイ】
第5章 : 新章 偽りの令嬢❶ お茶会編
「今回娘の招待ではなく、私が呼んだのには理由がある。2人共、手紙は読んだね?」
「はい。手紙にあった"真実を見つける"とは、どういう意味なのでしょう?」
「この茶会は…君達が知りたかった"真実"が隠れている。君達はまずこの会場で"真実の欠片"を見つけ、今後も私が望む全ての"真実"見つける事が出来たなら…ハーヴィン家は今後継続的に、調査兵団に資金援助する事を誓おう。」
エルヴィンは思案顔で、更に問いかける。
「…その"真実"は誰にとって、何のメリットのある事なのでしょうか?」
「私にも、君達にも…だよ。」
「それは一体…」
「俺達がてめぇの望む"真実"が分かったとして、それをどうやって証明する?」
「君達のこれからの行動が変わる。それが証明だ。」
「行動?」
「"真実を見つける"それは君達調査兵団の、得意分野だろう?さぁ…どうする?」
クレイは笑顔でそう問うが、目は笑っていない。
リヴァイはいつものようにチッと舌打ちするが、エルヴィンは強い瞳でクレイを見つめ…
「分かりました。貴方の言う真実…見極めてみせましょう。」
と、答えた。
「交渉成立だな。では、宜しく頼むよ。」
2人は再度、握手を交わしたのだった。
部屋から出て、3人は共に会場へ向かう。
丁度フロア内が暗くなり…お茶会の主催者であるソフィア・ハーヴィンが、階段の踊り場に立った。
スポットライトを浴びた少女は微笑み、お辞儀をする。
「ご来場の皆様、この度は私(わたくし)のお茶会にお越し下さり…誠に有難うございます。いつものように私は途中退室致しますが…新作のお茶も多数用意していますので、皆様は最後までお楽しみ下さいませ。」
挨拶が終わり盛大な拍手が鳴り響くと、少女は静かに階段を降りて来る。
そしてクレイ・ハーヴィンに寄り添い微笑む。
「エルヴィンくん,リヴァイくん、娘のソフィアだ。ソフィア、こちらは調査兵団団長のエルヴィン・スミスくんと兵士長のリヴァイくんだよ。」
「初めまして、エルヴィン様,リヴァイ様。」
「初めまして、ソフィア嬢。」
エルヴィンはソフィアの手の甲に、唇を近付ける。
リヴァイは軽く会釈をした後、ふいっと視線を逸らす。