鈴の音が届く距離で2〜王政改革の章〜【進撃の巨人/リヴァイ】
第2章 :再来〜再会と豹変❶
〜事件発生 数時間前:壁外〜
「ねぇ、エルヴィン…今日何だか、巨人少なくない?」
「ハンジもそう思うか?」
「何となくだけど…昨日の方が、多かった気がする。」
「…少し探索地域を拡げてみるか。」
エルヴィンは近くの兵士に、ミケを呼ぶよう伝えた。
「兵長!増援を集めて来ました!」
巨人の数を目視で確認するリヴァイに、ペトラが声をかける。
「ペトラ、お前は下の兵士を介抱しろ!残りの全員は右を支援しろ!!俺は左を片付ける!」
そういうとリヴァイは1人、2体の巨人に向かって行く。
「揃いも揃って…面白ぇ面しやがって…。おとなしくしてろ…そうしないとお前の肉を…綺麗に削げねぇだろうが…」
1体は即頸に、もう1体は目にブレードの刃を投げつけ…失明させた後頸を削ぎ落とす。
一瞬にしてリヴァイは、2体の巨人を地に沈めた。
そして倒れた兵士の元へ向かう。
「オイ…ペトラ、そいつはどうだ!?」
「兵長…血が…止まりません。」
兵士の傷口に手を当てるペトラが、悲痛の面持ちでリヴァイを見つめた。
「兵…長……」
瀕死の兵士はリヴァイに手を伸ばす。
「……何だ?」
「オ…オレは…人類の役に…立てた…でしょうか…このまま…何の役にも…立てずに…死ぬのでしょうか…」
「お前は十分に活躍した。そして…これからもだ。お前の残した意志が、俺に"力"を与える。」
リヴァイは兵士の血塗れの手を握りしめ、続ける。
「約束しよう。俺は必ず!!巨人を絶滅させる!!」
「兵…長、彼は…もう…」
「最後まで聞いたのか?コイツは…」
「えぇ…きっと聞こえてましたよ。だって…安心したように、眠っている…」
「ならいい…」
リヴァイとペトラが立ち上がると、多数の馬の蹄音が聞こえた。
「リヴァイ!退却だ。」
エルヴィンは緊張した面持ちで、馬上からリヴァイとペトラに言い放つ。
「退却だと…!?まだ限界まで進んでねぇぞ?俺の部下は犬死にか?理由はあるよな?」
リヴァイはエルヴィンを鋭く睨んだ。
「巨人の様子が昨日と違い、探索範囲を広げてみたのだが…巨人が街を目指して、一斉に北上し始めたようだ。」
「「!!?」」
「5年前と同じだ、街に何かが起きてる。壁が……破壊されたかもしれない。」