鈴の音が届く距離で2〜王政改革の章〜【進撃の巨人/リヴァイ】
第2章 :再来〜再会と豹変❶
「もうお終いだ…この店もこの街も。」
店主が顔面蒼白で呟き、その場に崩れ落ちる。
『…終わらせない、必ず守る!』
少女は土埃舞う中で壁の方角を睨み、声を張り上げた。
『レイ、この店を中心にシールドを展開!巨人から守れ!』
[了解、マスター!]
大きな焔の鳥が現れ、店を中心に赤いドームが形成される。
『おじさん、おばさん!この店から動かないで。私が…この店も2人も、必ず守るから!お願い…私を信じて!』
少女は真剣な眼差しで2人を見つめる。
「…ワシらは勝手にお嬢ちゃんの事を、孫のように思っておった。その孫が信じろというなら、ワシらは此処を絶対動かん!」
店主の力強い言葉に、女将も頷く。
『ありがとう!…その赤いラインから、絶対に出ないで。ライン内に巨人は絶対入って来ない。もし他に助けを求める人が来たら、入れてあげて。【許可する】とそう言えば、あの赤い鳥がシールドを開く。』
屋根の上にいる鳥を指差すと、店主と女将は「分かった」と大きく頷く。
「アンタも此処にいるんだろ?」
不安そうに女将が問いかけた。
少女は首を左右に振る。
『私は行かなきゃ!戦える者が戦わなきゃ、街も人も守れない。』
「ダメだよ、危ないから此処にいな!」
『私は強いから、大丈夫!それより…このお菓子、幾つか貰って良い?後でお金払うから。』
「お金なんていらない…アンタが無事に帰って来てくれるならね。」
『うん…了解。行って来ます!』
少女は笑顔で答えると、ふわりと屋根の上に乗った。
『まずは状況の把握が必要ね。』
[マスター、壁上に人がいる]
『え?!まさか…あの子達が?…行くよ、ライキ・フェイ!』
(無事でいて…死んじゃダメ!)
もうすぐ卒業すると嬉しそうに言っていた子達の顔を思い浮かべ、祈るように少女は壁上へ急いだのだった。