鈴の音が届く距離で2〜王政改革の章〜【進撃の巨人/リヴァイ】
第2章 :再来〜再会と豹変❶
〜事件発生 数分前:壁内〜
少女は真っ白のワンピースで、馴染みの洋菓子店前に居た。
「おや、久しぶりだね!半年ぶりくらいかい?」
『こんにちは。うん、郷帰りしてたの。』
少女は笑顔で答える。
「そうかい。それで今日は…いつものかい?」
『ん〜自分用のお菓子もそうなんだけど…今日は大きなケーキが欲しくて。』
「ケーキ?誰かのお祝いかい?」
『うん!私の弟妹みたいに大事な子達が、3年間兵士訓練を受けてたんだけど…もうすぐ卒業するの!そのお祝いにケーキを贈りたくて。』
「そうかい!それは凄いね。何人分のケーキが良いんだい?」
『えっと…7人かな。でも悩んでる。あの子達の友達も一緒に卒業する訳だし…20人分くらい、用意した方がいいんじゃないかって。』
「だったらケーキ7人分と、焼き菓子の詰め合わせを買ったらどうだい?」
『それいいね!じゃあこの大きなケーキ1つと、焼き菓子は私が選んで…ッ!』
(何?!何だろう…何だか胸が、ドキドキする。)
少女は胸を押さえ辺りを見回す。
ふと目に付いたのは…外と中を隔てる、大きな壁。
[主:マスター…来る!]
『えっ?』
頭に響くその声と共に、ゆっくりと壁を見上げると…そこには大きな顔が覗いていた。
『巨…人?』
(待って…あの壁、50mあるのよ?そこから顔を出すって…どれだけ大きいの?!)
『まさか…あれが5年前に出現し壁を壊した、大型巨人…なの?』
少女が呆然と壁の巨人を見上げていると、周りの者達も気付き始める。
「何あれ…人?」
「見てあれ…嘘…でしょ?」
「あれって、もしかして…」
ドォォォォォォォォ!!
人々が困惑の中壁を指差し、口々に呟いた瞬間…大きな音が辺りに響き渡る。
それが…大型巨人により二度目の壁が破壊された、最悪な日の始まりだった。