鈴の音が届く距離で2〜王政改革の章〜【進撃の巨人/リヴァイ】
第4章 幕間❶ 星は見ている
食事を終えた班員達は、それぞれ寝支度の為動き出す。
自室に風呂がある女性達とリヴァイは、それぞれ部屋に戻り風呂に入っていた。
焔の守護獣:レイに髪を乾かして貰ったリンとペトラは、全員分の温かい飲み物を用意しテーブルに置いた。
リヴァイ以外の班員が揃い…それぞれ飲み物を口に含み、明日からの予定を話している。
少女はエレンの側に座り、ニッコリと笑った。
『ねぇエレン…今日は久しぶりに、一緒に寝ましょう!エレンの部屋はどこ?』
リンはエレンの手を取り、じっと見つめた。
「「「「えっ?!」」」」
「あ〜…」
エレンは気まずそうに俯き…班員達4人も驚き戸惑いながら、少女にどう伝えるか考えている。
『エレン?』
「そいつの寝床は、地下だ!」
自室でシャワーを浴びたリヴァイが、凄い形相で少女とエレンの手を強引に引き離す。
『えっ?地下…どういう事?』
「当たり前だろう?こいつが寝ぼけて、巨人に変身したらどうする?何か起きても地下なら、すぐ対処出来る。」
少女は心配そうに、エレンを見つめる。
『そんな…だったら私も地下で寝る!私だったら安全に、対処出来るもの。』
「ダメだ!お前は自分の部屋で寝ろ。」
『どうして?』
「あの…リンさんは女性ですし、一緒に寝るのは流石に…。」
ペトラは心配そうに少女を見つめた。
『そんなの気にしない!だってエレンは私の弟だし、昔は一緒に寝ていたもの。ね、エレン?』
リンは再度エレンの手を握り、顔を上げたエレンを見つめた。
その様子を見てリヴァイはチッと舌打ちをすると、声を荒げ叫んだ。
「ふざけんな、血は繋がってねぇだろうが!」
『血は繋がってなくても、弟だもん!』
「弟じゃねぇ、そいつは"男"だ!」
『弟だって男でしょ?』
「そういう意味じゃねぇ!」
言い争う少女とリヴァイを、オロオロしながら見つめる班員達。
エレンはその光景を見ながらため息を吐き、静かに少女が握っていた手を離す。
「リンねぇ、いい加減にしろ。兵長達を困らせるな。俺は…1人で地下で寝る。」
『エレン…』
立ち上がり静かに地下に向かうエレンを、少女は切なそうに見送った。