鈴の音が届く距離で2〜王政改革の章〜【進撃の巨人/リヴァイ】
第3章 :大切な人〜再会と豹変❷
同期や友人からのやっかみは、甘んじて受けようと思った。
だって私はリヴァイ班に選ばれた、唯一の女兵士だから。
私がご機嫌取りや色仕掛けでリヴァイ班に入ったと、言われても仕方がないんだと。
でも…
「リヴァイ班のペトラ・ラル、いい気になり過ぎじゃない?」
「そうそう!私達の方が長くて経験もあるのに、何であの子がリヴァイ班に選ばれるわけ?おかしいでしょ?」
「色仕掛けでもしたんじゃない?」
「アハハハ〜かもね!でもあの子、色気ないでしょ?」
「確かに〜。じゃあエルドさん達に媚びたとか?」
2人の女兵士が自分の陰口を言ってる現場に、ペトラはたまたま居合わせた。
咄嗟に近くの壁に隠れる。
(リヴァイ兵長が色仕掛けなんかで、自分の班員決める訳ないじゃない!でも…)
ペトラはずっと自信が無かった。
何故自分が選ばれたのか。
彼女達のように経験豊富な人の方が、良かったのではないか?
壁外調査でも何の役にも立たず、逆に迷惑をかけてしまった。
何故?どうして?
リヴァイ兵長は、私を選んで下さったのだろう?
『あなた達、馬鹿なの?』
「はぁ?」
(えっ?!)
気付けば小さな白い少女が腰に手を当て、仁王立ちで女兵士の前にいた。
『ペトラは確かに可愛いけど、色仕掛けなんかでリヴァイが選ぶ訳ないでしょ!』
「なっ?!…だって、おかしいでしょ?何であんな経験もない弱そうな女が、突然リヴァイ班に選ばれるなんて。何で私達じゃなくて、あの子なのよ?」
「しかも壁外調査で班員を助けるどころか、助けられたらしいじゃない!」
『壁外調査での失敗は、誰よりペトラが1番悔しいのよ。だから帰って来てからも、ペトラは毎日自主練してたわ!そんなペトラの努力を、リヴァイはずっと知ってたのよ。だからペトラを選んだ。』
「……。」
『あなた達は何か努力をしてるの?…大体リヴァイに選ばれたペトラを誹謗中傷するって事は、リヴァイを侮辱してる行為にもなるのよ?』
「えっ?そんなつもりは…」
(リンさん…)
『文句があるなら、リヴァイに直接言えばいいのよ!ほら…丁度来たわ。』
「「えっ?!」」
(リヴァイ兵長?!)
ペトラが少し顔を出し覗くと…確かに何かを探すように、リヴァイがこちらへ歩いて来る。
『リヴァイ〜!!』
「…おまえ、こんな所に居たのか。」