鈴の音が届く距離で2〜王政改革の章〜【進撃の巨人/リヴァイ】
第3章 :大切な人〜再会と豹変❷
「リンさん!降りて下さいって、言ったじゃないですか!!」
相変わらず椅子の上に立つ少女に、ペトラは再度叫ぶ。
『大丈夫。もう少しで終わるから…』
「ダメです、危険です!」
(スカートの中が見えちゃう!)
『??』
少女はペトラとエルドを交互に見つめ、察した。
『…これが気になるの?大丈夫、中にショートパンツ履いてるから。』
「「 見せなくていいです!!」」
そう言ってスカートの前を開き、中を見せる少女を慌てて止める2人。
(ダメだ…私たちには、止められない。やっぱり兵長を呼ぶ?それとも…あっ、エレン!)
「エルド、ここは任せる!」
「はぁ?!ちょっと待て!」
突然走り出したペトラを止める暇もなく…部屋で2人になったエルドはスカートに視線がいかないよう、掃除を続ける少女を説得するしかなかった。
暫くすると…
ペトラがエレンを連れて戻って来る。
「リンねぇ!何してんだよ、危ねぇだろ!」
『エレン…』
エレンの登場に少女は掃除の手を止め、椅子から見下ろした。
「こういう場所は俺がするから…頼れよな。ほら…手!」
『…うん、ありがとう。』
素直に手を取るリン。
「てめぇら…何遊んでやがる?」
突然…氷のように冷たい声が、部屋に響き渡る。
「「「 リヴァイ兵長!?」」」
振り返り、固まる3人。
「あっあの、天窓の掃除を…」
「そうです!リンさんでは危険なので、交代しようと…」
無言でエレンと少女の、繋がった手を見つめるリヴァイ。
「リンねぇ、早く降りろ!」
エレンが促すと、少女はふわりと床に降りた。
「後は俺に任せて下さい。」
エルドがにこりと笑うと、少女はコクンと頷く。
「エレン、お前は庭掃除に戻れ!ペトラは食事の支度だ。」
「「了解!! 」」
エレンは急いで戻り、ペトラは少女を見つめ話しかける。
「リンさん、食事の支度を手伝って貰えませんか?」
『私…食事は必要ない。構わないで。』
「えっ?!あっ、待っ…」
少女は一瞬の内に消える。
リヴァイはチッと舌打ちすると、部屋を後にした。
「リンさん…」