鈴の音が届く距離で2〜王政改革の章〜【進撃の巨人/リヴァイ】
第3章 :大切な人〜再会と豹変❷
「リンねぇ、此処知ってるのか?」
いつの間に馬を降りたエレンが並行した場所に立ち、城を見つめる少女に問う。
『うん、昔ね…。でも城の中に入るのは初めてなの。だから一緒に探検しよう!』
リンはエレンに手を差し出す。
「探検か…昔やったな。いいぜ!」
すると…手を握ろうとしたエレンと、少女の間にリヴァイが立った。
「まずは掃除が先だ!お前ら、隅々まで抜かりなくやれ!」
リヴァイが4人の部下とエレンに向け、声を上げると…
「「「「「 了解! 」」」」」
リヴァイ班の4人は右手を心臓を当て、敬礼した。
(そうなるよね…やっぱり。)
少女は小さくため息を吐いた。
『エレン、後でね…』
「あっリンさん、ちょっと待って下さい!」
立ち去ろうとする少女を、ペトラは引き留める。
『何?』
「リンさんの部屋はもう決まってるんです。案内しますね!」
『え?私は別に部屋なんて…』
「一緒に生活するなら、部屋は必要ですよ。」
ズンズン進むペトラの背中を、慌てて追う少女。
リヴァイは2人の背中を見送り、掃除の支度を始めたのだった。
「ここです!」
そこは普通の部屋ではあったが、1つ違うのは…
『これって…天窓?』
「はい、リンさん星が好きですよね?だからこの部屋が良いかと思って…」
少女は天窓を見つめる。
『私…星が好きだって、言った?』
「あっ、えっと…以前、言ってませんでした?」
『そう…かな?』
(ヤバイ、ヤバイ!兵長に聞いたの、バレるところだった!)
ペトラは焦りつつ、胸を撫で下ろす。
「あの…ダメですか?」
『星…好き。ありがとう…』
小さく呟きはにかむ少女に、ペトラは満面の笑みを浮かべたのだった。