鈴の音が届く距離で2〜王政改革の章〜【進撃の巨人/リヴァイ】
第2章 :再来〜再会と豹変❶
ふと…リンは、エレンを横から見つめ気付く。
『エレン…頬に傷。』
「あぁ、別に…すぐに治るから、問題ない。」
『…そっか。』
(もう…演出だとしても、やり過ぎだよ。ミカサが怒るのも無理ない。)
少女はエレンの頬に手を当てると、そのまま頬の傷にキスをした。
「「「なっ?!?!」」」
リヴァイ,エルヴィン,ハンジ,モブリットは目を見開き、少女とエレンを凝視する。
『はい、治った!』
少女はニッコリ笑う。
「…リンねぇ!治さなくても、勝手に治るって意味だよ!」
『そうなの?でも私が治した方が、早いでしょ?』
「そうかもしれねぇけど…人前でやるなって、いつも言ってんだろ!見てみろ、みんなビックリして…」
エレンはエルヴィン達を見回し、1人だけ鬼の形相で睨む男が視界に入り…口を閉じた。
「てめぇら…何してやがる!」
リヴァイは少女とエレンと引き剥がそうとするが…寸前でかわされ、少女は反対側のエレン横に移動する。
『ごめんね。だって…エレンの傷、早く治したくて。』
「分かってる…ありがとな。」
エレンは少女の髪をポンポンと撫でた。
その2人のやり取りは、どう見ても恋人同士…
リヴァイは苛立ちを隠さず詰め寄る。
「おいてめぇら…いい加減に…」
「まだ我々も彼と話したい事があるのだが…席を外してくれないか?」
リヴァイの怒りを遮り…エルヴィンは少女に声をかけた。
少女は素直に立ち上がり、エレンの正面に立つ。
『エレン、また後でね!』
「後で?」
『うん!私も、旧本部に一緒に行くから。』
「えっ…」
『大丈夫…貴方を1人にはさせないよ。』
少女はエレンの髪を優しく撫で、微笑んだ。
そして…
『私も旧本部に一緒に行きます!許可は…取ってますので。』
そうエルヴィンに伝えると、リンは静かに部屋を出て行ったのだった。
エルヴィンはリンの背中を見送り…エレンに向き直る。
「君達は…本当に仲が良いんだね。まるで本当の姉弟のようだ。」
「リンねぇは…俺の昔を知ってる、数少ない1人です。俺が大切にしてた日常は、リンねぇにとっても大切なものだったから…。」
「そうか…。改めてエレン、調査兵団にようこそ!」