鈴の音が届く距離で2〜王政改革の章〜【進撃の巨人/リヴァイ】
第2章 :再来〜再会と豹変❶
(俺を無視するとは…いい度胸じゃねぇか!)
あの頃のように『久しぶり!』と抱きついて来る事を期待していたリヴァイは、少女の素っ気ない態度に苛立ちを隠せない。
(一体何があった…リン?)
半年前に突然絶たれた連絡。
久しぶりの再会での素っ気ない態度。
色々な疑問と感情が渦巻く。
しかし今は、それどころではない。
「壁内に残存する、全ての巨人を排除しろ!」
「「「 了解!!」」」
リヴァイは班員に指示を出し、自分も巨人へ向かって行ったのだった。
壁内にいた全ての巨人を排除し、調査兵団達は壁上に集結した。
そこには駐屯兵団:精鋭部隊班長の、リコ・ブレツェンスカも居る。
「壁内に残っていた巨人の駆逐は完了したようです。」
「壁に空いた穴は、大丈夫なのでしょうか?」
グンタとエルドがリヴァイに報告し、壁上から下を見下ろす。
「心配ない。既に駐屯兵団工兵部が、封鎖作業を開始している。」
リコが2人の言葉に返答した。
「駐屯兵団には、多大な負担をかけてしまった。力になれず申し訳ない…」
エルヴィンが申し訳なさそうに、リコを見つめる。
「いえ…加勢頂き感謝致します。我々だけでは今頃は…」
「リヴァイもご苦労だった!」
「あぁ…」
エルヴィンの言葉にリヴァイは短く答えると、壁内に目を向けた。
「そういえばさ〜誰かリンに会った?絶対壁内にいるはずなんだけど。」
「…見ていないな。」
ハンジの言葉にエルヴィンも頷く。
「リンは…先ほどまで我々と共にいました。今回の掃討作戦にも参加し、多数の巨人を倒し仲間も助けてくれました。」
「やっぱり〜流石リン!私もあの子の勇姿、見たかったよ〜!で…何処行っちゃったの?」
「彼女は…去りました。」
「え〜!私達に挨拶無しに?会って抱きしめたかったのになぁ…」
ハンジが残念そうに言うと、リコは言い辛そうに口を開いた。
「彼女はもう…昔とは違う。全てはあの事件のせいで…」
リコは悲しそうに目を伏せた。
「事件?それってどういう…」
「ハンジ!リンの事は気になるが、今はそれどころではない。まずは巨人になる少年について、詳しく聞かせて欲しい!」
エルヴィンはハンジの言葉を遮り、リコに向き直った。
「了解です。彼は…」