第100章 仮面の男と新たな仲間
それにややこしいだろうが、と眉を寄せれば一体何のことだと男は首を傾げた。
「おれがエースで、お前もエースだったら。水琴が呼んだ時一体どっちのことか分かんなくなるじゃねェか」
「水琴って誰だよ」
「エース!!」
突然後方から風と共に声が降ってきた。
振り返れば黒髪を翻し、小柄な影が風の隙間から現れるところだった。
軽い足音を立て地に降りた水琴がザクザクと砂を踏みエースへと駆け寄ってくる。
「なかなか戻ってこないからどうしたんだろうと思って風飛ばしてみれば。一体こんなところで何やって__」
エースを挟み男と水琴の目が合う。
「……あ、初めまして」
「いえいえ、ご丁寧に」
「何やってんだ」
深々とお辞儀する両者にツッコミを入れる。
「じゃなくて、女?!女までいるのか!」
「あーはい。六日前に流れ着きまして」
「しかも六日?!」
俺の倍じゃねぇか!と叫ぶ男にいい加減話を進めたくてエースは焦れてくる。
「それで、手伝ってくれるのかよマスクマン」
「だからマスクマンじゃねぇって言ってんだろ!」
「あ、じゃあデュースでどうだ。エースと響き似てるし。マスクマン・デュース」
「いい加減マスクマンから離れろ!!」
話が進むのにそれから半時間はかかった。