第100章 仮面の男と新たな仲間
眩しい光が船内に注ぎ込む。
瞼を刺激する朝日にエースは目を開けた。
身を起こし隣を見れば仕切られたカーテンは既に開いており主の姿はない。
漂ってくる美味しそうな匂いにエースの腹がぐうとなった。
匂いに吸い寄せられるようにダイニングへ顔を出せば水琴がフライパンを振っている。
すぐに気付きおはよ、と水琴がこちらを向いた。
「もうすぐできるからちょっと待ってて」
「おー」
この島に流れ着いて六日が過ぎた。
修理は順調に進んでいるものの、マストと舵についてはなかなかそうはいかない。
特にマストは途中で折れてしまっているため継ぎ足すか根元から引っこ抜いて完全に替えるかだが、どちらもそれ相応の知識と技術がいる。
エースも水琴も海賊ではあるが船大工ではない。流石にそこまでの専門知識は持っていなかった。
朝食を終え今日もそれぞれ食料調達と手頃な材料を探しに森に入る。
「つっても欲しいのは金属だしな」
木材は最初の頃に山ほど切り少しずつ加工を施している。
足りなくなってきたのは釘や鉄板などの金属類だった。さすがに森の中で金属は見つからない。
ふと東側にも浜辺があるというようなことを水琴が言っていたことをエースは思い出した。もしかしたら自分たちの船のように何かが流れ着いているかもしれない。
一度見に行ってみるか、とエースは東へと足を向けた。この島はそこまで大きくないため徒歩で行っても昼には間に合うだろう。