第15章 それぞれの想い
「私だって、一緒にいたい…船を降りたくなんてない!!
だけど、嫌なの!!
私がいるせいで、みんなが危ない目に遭うのは…」
だから、置いていって。
お願いだから。
これ以上、私に未練を残させないで。
ずるずると手摺にもたれかかる。
「_なんだ、大丈夫じゃねェか」
返ってきたのは一言。
「は……?」
「敬語、なくても」
すっきりした顔でエースが屈伸し始める。その横ではマルコが呆れたように溜息を吐いている。
「お前の言い分は分かった。水琴」
にっ、とエースがこちらを見上げてくる。
「今度はこっちの言い分だ。
…おれ達を、舐めるな」
必ず助けに行く。と言いきるエースの目には迷いなどなかった。
「これはどういうことだ!!」
バンッ!!とドアが開けられる。
まだ出て行っていなかったのだろう。ベルクが窓へ駆け寄り惨状を目にする。
「海賊が……!!」
「よォ、Dr.ベルクだな。おれ達の仲間返してもらうぜ」
「出来るものなら、やってみればいい」
「おい、ベルク…!」
す、と取りだしたのは黄金の電電虫。
小さな音を立ててボタンが押し込められる。
途端に島全域に警報が鳴り響いた。
『バスターコール発動。バスターコール発動。発令者はDr.ベルク。対象領域は夏島レガール、離れ小島。近隣住民は避難してください。繰り返します…』
「…さァて、始まった」
「やれやれ、てめェはほんといつも勝手ばかりしやがってよい」
「黙っておいてそりゃないぜマルコ。お前も同じ気持ちなんだろ?」
「……とりあえず、水琴には後で説教だよい」
背中合わせ、取り囲む海兵へ対峙する。