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【ONEPIECE】恵風は海を渡る【エース】

第98章 初めての共闘





 ***



 激しい音と共に壁が崩れ警備の慌てふためく悲鳴が響く。 
 警備の奴らを引きつけるようにエースは派手に暴れまわり、いつの間にか中庭へと出ていた。
 
 「手ごたえねェな」

 既に警備のほとんどがエースによりやられている。
 これだけ片付けておけば向こうも心配ないだろう、と息すら乱さずエースは服についたほこりをはたいた。

 「こんなとこに居やがったか」

 声がする方を向けば先程の男が一人立っていた。
 確か警備にウサロと呼ばれていたやつだ。
 その手にはバズーカの代わりに奇妙な曲線を描いた剣が握られており、鈍く光を反射していた。
 
 「女が見えねェな。逃げられたか」
 「おれ一人じゃ不服か?」
 「……いや」

 倒れている警備を一瞥し、ウサロは口元を吊り上げる。

 「久々に楽しめそうだ」
 「奇遇だな。おれもだ」

 壁に沿って配管されているパイプの一部を引き抜き肩に担ぐと、エースは好戦的な目を向ける。
 先に動いたのはウサロだった。
 一気に距離を詰め、剣を真横へ薙ぎ払う。
 それを紙一重でよけ、エースはパイプを振り下ろした。
 返す剣でパイプを受けはじき返すと、ウサロはその弱さに嘲笑の笑みを浮かべた。

 「__甘ェな」

 力強く踏み込み後方へバランスを崩したエースに次々と剣撃を繰り出す。 

 「間合いの詰め方が甘ェ、振り下ろす時の脇の締め方も甘ェ、獲物の扱い方もなっちゃいねェ!
 それがお前の実力か?楽しませてくれるんじゃなかったのか」
 「……っ」

 
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