第93章 絆の証
「しかしどうするか」
「働こうにも雇ってくれるとこなんてないしな」
根城までの道を歩きながらサボはううんと思案する。
こういう時子どもというのは不便だ。大人なら稼ぐ方法なんていくらでも見つかるだろうに。
「あ!おれ良いこと思いついた!」
唐突にルフィが叫ぶ。兄二人より先に良い案を思いついたのが嬉しいのか、目をやればにしし、と得意そうな笑みを浮かべていた。
「あのさ、マキノのとこで働かせてもらうのはどーだ?」
「マキノさんのとこ?」
「マキノなら協力してくれんじゃねーかな」
確かに水琴とも交流の深いマキノなら協力してくれるかもしれない。
他に今のところ良い案もない。頼んでみるか、とサボが言ったのを皮切りに三人はフーシャ村へと足を向けた。
今日は水琴が休みの日なので鉢合わせる心配もない。昼の時間を過ぎていたためドアには準備中の札が掛けられていた。
ルフィが慣れたようにドアを叩きマキノー!と叫ぶ。
程なくしてドアが開けられ、酒場の女店主は予想外の訪問者に目を丸くした。
「あらあなたたち。どうしたの?」
「あのな、働かせてほしいんだ!」
「え?」
「ルフィ。急すぎる」
とりあえず中へと招いてくれたマキノは三人にお茶を用意してくれた。
お茶請けにと置かれたクッキーを頬張っているルフィはそのままにしてサボが事の顛末を説明する。