第92章 宣戦布告
いつものテーブル代わりの切り株では着々とお茶会の準備が整いつつあった。
切り株の上には美味しそうな菓子がこれでもかと並べられ、その脇には水琴の淹れた紅茶が良い香りを漂わせセッティングされている。
「早く座れよ、ルフィがもう食いつきそうだぞ」
見れば一足先に定位置に座ったルフィが涎を滴らせながら目の前の菓子へ狙いを定めていた。
確かに放っておけば全部食い尽くしそうである。呆れながらエースもまた定位置であるルフィの右隣に座った。
「はい、みんな席に着いたね?それじゃあ、頂きます」
「「「 いただきます 」」」
そろって手を合わせ、と同時にルフィが菓子へと食らいつく。
「あ、こらルフィ!お前そんないっぺんに頬張るな!」
「喉詰まらせるぞ!」
「んぐぐっ!むぐ!」
「ルフィ、落ち着いて。ほらお茶」
頬をリスのように膨らませ案の定喉を詰まらせたルフィは水琴が差し出したお茶を何とか飲み干し息を吐く。
窒息せずに済んだルフィにサボは安堵と呆れの入り混じったような笑みを向けた。
「そんなに慌てなくてもこんなにあるんだからすぐに無くなったりしねぇよ」
「分かんねぇだろ!サボとエースに食べたいもの取られるかもしんないじゃんか!」
「心配しなくても取らねェよ」
エースもサボも普段の食事とは違い甘いものはそれほどたくさん食べない。
嫌いというわけではないが、ルフィほどがっついたりはしないので無くなるかもというのはいらぬ心配だろう。
そうだというのに、ルフィは分かんねえじゃん!と再び繰り返し頬を膨らませた。