第88章 風邪には甘いレモネードを
「いくぞー!」
「頼むぞルフィ!」
「おう、任せろ!」
せーの、と掛け声をしエースとサボは手に持った巨大なフキの葉を振り下ろす。
三人が入っても余裕があるほどの大きさであるその葉は見事巨大うちわの役割を果たしてくれた。
生まれた風は水琴の風には遠く及ばないものの、蜜蜂たちには脅威だったようだ。
周囲を飛んでいた蜜蜂が吹き飛ぶのを確認するとナイフを持ったルフィが走る。
そして先程エースが切れ目を入れた箇所を見事に切り取った。
「やった!エース、採れたぞー!」
「バカ早く戻ってこい!」
再び集まり始めた蜜蜂から逃れるよう足早に退散する。
「やったな」
「ああ!」
最も難しい蜂蜜の採取が終わればあとは簡単である。
あっという間に材料を調達すると、エースたちは早速レモネード作りに取り掛かった。
「生姜ってどうやって入れんだ」
「レモンこれくらいでいいか?」
「蜂蜜は不純物混ざらないよう気を付けろよ。__ルフィ!舐めるな!」
あーでもないこーでもないと試行錯誤しながら出来上がったのは掛けた時間にしては僅かコップ一杯分のみ。
気が付けば日は傾き始めていた。
「水琴、喜んでくれるかな」
「喜ぶさ!」
サボとルフィの言葉にエースもまたそうだといいと思いながら。
出来上がったレモネードを大事に抱え、三人は小屋を目指した。