第88章 風邪には甘いレモネードを
「なー。これからどうすんだ?」
「どうって……」
ルフィの問いにエースは戸惑い口ごもる。
「どうも出来ねェだろ。邪魔にならないよう大人しくしてるしかねェよ」
「そっか。じゃあさ、水琴にうまいもん用意してやろーぜ!」
「はぁ?」
「お前おれの話聞いてたか?」
突拍子もないルフィの提案にエースとサボは呆れる。
今し方戦力外を言い渡されたというのに、台所など使えるわけがない。
「だからさ、おれたちのやり方で用意すればいーんだろ?マキノが言ってたんだ。風邪の時はこれを飲むと良くなるって!確か、れ、レモ……」
「あぁ、レモネードか?」
ルフィが言いたいことを察してサボが続きを受け取る。
そうそれ!とルフィがサボに向かって嬉しそうに声を上げた。
「なんだよレモネードって」
「レモンとはちみつをお湯とか水で割った飲み物さ。ビタミンCも取れるし、はちみつは喉にも良いから風邪の時には最適な飲み物だな」
生姜入れても美味いぞというサボの言葉になんとなくイメージが湧いてくる。
「だからさ、そのレモネードをおれたちで用意してやるんだ!」
「レモネード……確かに、それなら俺たちにも出来そうだな」
材料を調達し、切って搾って混ぜればいいのだから料理をするよりも簡単ではある。
エースは先程の掠れた水琴の声を思い出す。
喉に良い飲み物を用意してやったらきっと喜ぶだろう。
「よし!いっちょやってみっか!」
何もせずじっとしてるのは性に合わない。
家事は失敗してしまったが、採取はエースたちの本領である。
今度こそ、と三人は円陣を組み手を重ね合わせた。
「レモネード作り、やるぞー!」
「「 おー! 」」
こうしてエースたちのリベンジマッチが始まった。