第84章 ルフィ
「ルフィ。もう今からじゃエースに追いつけないと思うから、今日のところは私の話で我慢しない?」
「水琴の話?」
「そう。海賊の冒険話、気にならない?」
「っ!聞きてぇ!!」
途端きらきらと輝きだすルフィの表情にほっとする。
どうやらこれで今日のところは諦めてくれそうだ。
「なぁ!何聞かせてくれんだ?!」
「話は帰ってからね。先にお風呂入っちゃわないと」
先程までのやり取りでルフィは見事に土まみれだった。
流石にそのまま家に上げるのは頂けない。
「えー?おれ風呂嫌いなんだけど」
溺れるから、と顔を顰めるルフィをまぁまぁと宥める。
「帰ったらドグラたちに頼んであげるから、一緒に入ればいいじゃん」
「山賊と風呂なんか嫌だ!」
「ドグラたちは優しいよ?」
「嫌なもんは嫌だ!!」