第84章 ルフィ
「あ、エースー!待ってくれよー!」
昼食を終え、さっさと森へ出掛けていったエースの後を追おうとルフィが飛び出していく。
「こぉら新入り!あんたは家で雑用だよ!!」
その背にダダンが怒鳴る。
ルフィはそんなダダンを振り返りにやりと笑った。
「やーだね!誰が山賊の雑用なんてするか!」
あっかんべーと舌を出し、さっさと森へ駆けていく。
「あのガキャァァアア!!」
「お頭、どうしましょう」
「どうしましょうじゃねぇよ!さっさと連れ戻してきな!!」
ダダンに怒鳴られ一斉に飛び出していく山賊達。
「はぁ……」
「先が思いやられるねぇ」
「その割には楽しそうじゃないか」
「うん」
にこにこと項垂れるダダンを見つめる。
「可愛いじゃん。ルフィ」
「憎たらしいだけだよ!いいからさっさとあんたも捜してきな!!」
「はーい」
ダダンに怒鳴られ水琴も森へと入っていった。
「どこにいるかなぁ」
エースを追っていったのなら、グレイターミナル方面だろうか。
しかし普段エースは色々な道を通っていくため正直どの辺りに居るのか全く見当もつかない。
「ぎゃーー!!!」
ふと森で悲鳴が響き渡った。
ルフィの声だと気付きすぐに声の出どころへ向かう。
「ルフィ?!」
そこには巨大な木の下敷きになっているルフィがいた。
慌てて木の下から助け出す。
「大丈夫?!」
「こんくらい平気だ!ゴムだから!」
思い切り下敷きになっていたにもかかわらずルフィの身体には傷一つない。
ゴム人間でよかった、と水琴は心の底から安堵した。