第80章 それぞれの青い鳥
ねぇ 知ってる?
虹の麓には宝物が眠ってるんだって
***
「宝探しをしよう!」
いつもの成果を持ち寄り隠し場所へ隠していたエースとサボは、突然現れ唐突にそう切り出した元海賊である現山賊見習いを同時に見上げた。
「宝探し?」
「そう!この森の中に宝物を隠してきたから、探してみない?」
「へェ!面白そうだな」
宝の文句にサボが少年心をくすぐられ顔を輝かせた。
エースもまた宝と聞いて興味が湧く。
元海賊の水琴が隠したというお宝。
一体どんな代物だろうと二人は顔を見合わせる。
「決まりね!私はここで待ってるから、探してきてね」
「……って、何も無いのか?」
普通宝探しといえば地図だろう。
まさか何も無い状態でこの広大な山の中を何かも分からぬものを探せというのか。
「地図は渡せないけど、ヒントならあるよ」
二人の視線を受け水琴は意味深に笑う。
「__ヒントは、”青い鳥”」
「青い鳥?」
「さ!頑張ってね」
にこりと笑い送り出される。
よく分からないまま、二人は森の中に駆け出していった。
***
「青い鳥ねェ」
鳥でも捕まえろってか?とエースは空を見上げる。
コルボ山にはたくさんの種類の鳥がいる。
見覚えはないが、探せば青い鳥だって見つかるかもしれない。
「取り敢えずその辺り探してみるか?もしかしたら水琴がなにか仕込んでるかもしれないしな」
「そうすっか」
木々の間を見上げながら、何か他にヒントがないかと二人は森の中を散策する。
しかしどこを見渡しても森に不自然なところはなく、青い鳥も見つからなかった。