第76章 海賊
音を頼りに路地を行けば、目の前には傷つき倒れたエースと数人の男達。
ボロボロのエースとギラリと光る銃口に水琴の中で何かが切れた。
ゆっくりと海賊と対峙する。
「あなた達みたいなのしかいないなら、エースが海賊嫌いになるのもしょうがないと思いますね」
「何言ってんだこの女」
「あなた方程度が海賊を語るなって言ってんですよ」
「んだと……っ!?」
海賊の殺気が一気に水琴へ向けられる。
「本物の海賊は、気高く、どんな運命や逆境にも屈せず、この広い海を生きていく」
ただ、己が信念の旗の下に。
「__己の欲望のままに傷つけることしか知らない。
そんな奴は海賊じゃない。ただの獣です」
いや、獣に失礼ですね。
「__あなた達こそ、餓鬼なんじゃないですか」
言葉が悪いことは重々承知。
すいませんシスター。天の神様。
でも今だけは目をつぶってください。
__ちょっと、久しぶりに切れてしまいました。