第75章 山賊見習いと縮まる距離
「__うん、良い天気」
明るい太陽の下ではためく洗濯物を満足げに眺める。
白ひげ海賊団ほどではないものの、それ相応の人数がいるダダン一家の洗濯はそれだけで骨が折れるが、こうやってずらりと並んだ洗濯物を見ていると達成感が凄い。
さて次は掃除だと考える水琴の背後からエースが走り抜けていった。
「あ、エース」
ぴたりとその足が止まる。
「行ってらっしゃい」
振り向くエースににこりと水琴が微笑む。
「……行ってくる」
小さくそれだけ呟くと、エースは森へと駆けていった。
「驚いた。エースが挨拶なんて……」
「一体どんな技使ったんだ二ー?」
「別に、普通に接しただけですよ」
唖然とする二人相手にくすくすと笑う。
天気は快晴。
この空のように、エースの心も晴れればいいと水琴は空を見上げた。