• テキストサイズ

【ONEPIECE】恵風は海を渡る【エース】

第69章 ハリネズミのジレンマ






 水琴がモビーディックに帰還し数日。

 ようやく戻った幸せな日常をエースは噛み締めていた。


 はからずも想いを伝え晴れて水琴と相思相愛になったこともあり、エースの心は晴れ晴れと輝いていた。
 
 今ならどんなに無茶なマルコの要求も軽々とこなせる気がする。

 だからと言ってまた遣いに出るのは勘弁したい。ようやく帰ってこれたのだ。しばらくはのんびり過ごしたい。


 そういやもうすぐ島に着くって言ってたな、とエースは航海士の話を思い出す。

 早く帰ってくるために、前半の海はあまりゆっくりと島を回れなかった。
 久しぶりに純粋に観光を楽しむのもいいな、とエースは一人頷く。
 
 好奇心旺盛な水琴のこと。きっとあのキラキラとした笑顔でエースが思いもよらないような世界を見せてくれるだろう。

 今までも二人で島を回ったことはあるが、想いが通ってからは初めてだ。
 初デートになんのかな、と柄にもないことを考える。


 噂をすれば。前方で二番隊クルーと話し込む水琴を見つけた。
 何やら楽しそうな雰囲気に興味半分、面白くないの半分でエースは二人へと近寄る。

 「何話してんだ?」
 「あァエースか。今水琴と次の島について話してて……」

 クルーに目を向け、再び水琴の方へと戻したその間僅か数秒。
 風のように(風だが)姿を消した水琴に、クルーもエースも顔を見合せたのだった。


/ 1122ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp