第67章 向き合う心
時には海軍を撒き、時には海賊団と応戦し。
前半の海も半分が過ぎようとした頃。
水琴達は休憩のためとある島に上陸した。
近くに港らしい港は存在せず、人気のない南の浜にそっと船を寄せる。
久しぶりにゆっくり食事でもしようと町へ向かおうとすれば、目の前に立ち塞がるのは二人の島民と大掛かりなバリケード。
「えぇと……」
「すみません旅の方。今この町はとある病気が蔓延していて出入り禁止なんです」
困惑する水琴の前で島民がすまなそうにそう説明する。
「病気、ですか」
「はい。原因の究明は出来ているのですがワクチンの開発が遅れていて、これ以上の拡大を防ぐためどのような用があったとしても誰も入れるなと上からの命令で」
「それは大変ですね」
「ご不便おかけしますが、ログが溜まるまでは浜でお過ごし下さい」
ログが溜まるのは二時間後らしい。
それくらいならいいかと二人は船へ戻るため来た道を戻る。