第65章 たとえ御旗は異なれど
カルガモ部隊に乗せてもらい、水琴達はあっという間にサンドラ河上流へと辿り着いた。
ビビから話を聞いたコブラ王が新たに贈ってくれた砂ぞりから降り、水琴は船の上から声高に笑いこちらを見下ろす影に脱力する。
彼とは……うん。
色々あったが、ルフィたちが気にしていないようなのでこちらもあまり深く関わらないようにしよう。
もう終わったことだ。
「先に出るのは水琴達でいいのね?」
「うん。エースの方が撹乱しやすいだろうし、上手く行けば向こうの戦力を分散できると思う」
「分かったわ。それじゃあ……」
「え~?!いいだろ?」
突如聞こえたルフィの声にどうしたのかと視線を向ける。
そこではD兄弟がもめていた。というより、ルフィがエースにつっかかっていた。
「どうせエースたち新世界目指すんだろ?だったら一緒に行けばいいじゃねぇか!」
「あのなァ。おれは水琴を探しに逆走してただけだって言ったろ。
親父たちが待ってんだからちんたらお前に付き合ってる時間はないんだ!」
どうやら一緒に行こうとルフィが誘いをかけているらしい。当然エースがそれを聞き入れるわけもない。
しかしルフィもなかなか諦めないといったところか。
相変わらず仲良いなぁ、と水琴が微笑む横でナミが溜息を吐きルフィへと近づく。