第65章 たとえ御旗は異なれど
扉に激突し涙目でエースを見上げるルフィが子犬のようで可愛らしい。
やっぱりやんちゃしててもエースの前では弟に戻るんだなぁと水琴は横からほのぼのと見守る。
「おい、肩掴まれてから避けたぞ」
「さすが兄貴。慣れてやがる」
背後では普段の被害者コンビが別の意味で感心していた。
エースに首根っこを掴まれ、猫の子よろしくルフィは再びベッドへ投げ込まれる。
「なァ、まだいんのか?」
「お前も目ェ覚ましたからそろそろ発とうとは思ってんだけどよ。日中の砂漠越えは目立つし、早くて今夜だな」
「じゃあまだいるんだな!俺エースに話したいこといっぱいあるんだ!」
「あー聞いてやる聞いてやる。だから大人しく座っとけ」
ベッドに腰掛け、今までの冒険を楽しそうに語るルフィと、それに楽しげに相槌を打つエース。
「こうやって見ていると、本当に兄弟ね…」
遠巻きにその様子を眺めていたナミ達は船長のはしゃぎ様に呆れる。
「…D兄弟、破壊力強すぎ…っ!」
「大丈夫かお前」
その横で水琴はぷるぷると悶えていた。