第65章 たとえ御旗は異なれど
「三日ァ?!」
目覚めたルフィはナミから告げられた日数に目を丸くした。
「……十五食も食い損ねてるっ!」
「なんでそういう計算だけ早いのよ」
「しかも一日五食計算だ」
ナミとウソップの言葉は耳に届かず、三日、三日…と項垂れる。
よほど食べ損ねたのが悔しかったらしい。
「三日……」
ふと、顔を上げ部屋のメンバーを見渡す。
そこには欠けることなく麦わらの一味が揃っている。
……麦わらの一味は。
「エースと水琴はっ?!……ぁ、あれりら…?」
勢いよく飛び出そうとした身体はふらふらとバランスを崩しぽすんと前のめりにベッドへ戻ることとなった。
「はれ…?なんでだ?」
「三日も身体動かしてなかったんだから鈍ってて当然だな」
「ルフィ!まだ起きたばっかりなんだからちゃんと寝てなきゃダメだろ!」
首を傾げるルフィに対してゾロとチョッパーの突っ込みが入る。
「そんな焦んなよ。二人ならまだいるぜ」
「さっき水琴さんに伝えたからそろそろ来るんじゃないかしら」
サンジとビビの言葉にようやくルフィはそうか、と安堵する。
その時、ちょうど扉が開き二人が姿を現した。
「よォねぼすけ。ようやく起きたか」
「ルフィよかった!大丈夫?」
「エース!水琴!」
二人を認めたルフィはぱっと表情を明るくさせ腕を伸ばした。
エースの肩を掴み、そのまま飛びつこうとする。
ひょい。
ばちん!!
「いってェ~…なんで避けんだよエース」
「お前のじゃれ付きをいちいち受けてたら身がもたねェんだよ」