第65章 たとえ御旗は異なれど
久しぶりの晴天を見上げる。
三日間降り続けた雨は砂漠の大地を潤し、人々の心を活気づけた。
アルバーナ宮殿から見下ろす街は、少しずつ復興している。
「__よろしく頼むな」
エースは一通の封筒をニュース・クーへと手渡す。
「親父にしっかり届けてくれよ」
受け取ったニュース・クーは一声大きく鳴いた後、砂漠の空へと消えていった。
それをじっと見送る。
エースの書いた手紙には水琴と合流してからこの国で起こったこと全て記してある。
この国に着いてから定時連絡をしていなかったので、ずいぶん心配させてしまっただろうとエースはやきもきしているであろうマルコ達を思った。
しかしこればかりは仕方がない。本来なら電伝虫を使いたいところだが、海軍が張っている今電波を傍受されても困る。
時間はかかるが、彼らを使う方が確実だ。
そういえば、とエースはあの日からずっと眠り続けているルフィがいる部屋へ目をやった。
「あの馬鹿、いつまで寝てる気なんだ…」
先行っちまうぞ、と毒づく。
「エース!」
その背後に水琴の声が掛かった。
振り返ればバルコニーへ走り出てくる姿が目に入る。
その表情は明るい。
「ルフィが起きたって!」