第62章 ここにいる意味
「__悪いな、遅れた」
「エース……」
現れた姿に水琴の殺気が緩む。
「水琴はカルーを看てやれ。コイツはおれが相手する」
「でも、エースが相手したら私より目立っちゃうんじゃ……」
「大丈夫、上手くやるさ。要はバレなきゃいいんだ」
幸い相手はたった一人で観客はいない。
速やかに決着をつければ気付かれないだろう。
「さァっっきからな~~んなのよう!!白ひげが口出ししてくんじゃないわよ~~う!」
「あァ待たせて悪かったな。さァ、やるか?」
「その勝負、ちょっと待った」
対峙するエースとMr.2のちょうど間の路地から三つの影が現れる。
「あなたたち……それに、サンジさん!」
「反乱はまだ止まるんだろビビちゃん。よくやったなカルー隊長男だぜ」
サンジはエースの前に立ちMr.2へと向き直る。
「二人はビビちゃんを頼む。このオカマはおれが引き受けた」
「なァ~~によさっきから次々とォ!!大体あんた誰?!」
再び新たに現れた謎の人物にMr.2は動揺する。
だがそんなものに構っている暇はない。
「あなたたちはカルーをお願い」
ビビはサンジと共にやってきたカルガモ部隊にカルーを託す。
「水琴さん、エースさん、お願い!」
「おう」
「行こう!」
「ガーーー!逃~~がしやがったわ!!」
駆けていく三人を見てMr.2は怒りを露に足を振り上げる。
「アァンタ!!ジョ~~ダンじゃなーーいわよーーーう!
死になサ~~イ!!」
「とりあえずてめェにゃウチの狙撃手の大切なゴーグル…返して貰おうか」
空中で二人の足が交差する。
「おれはあいつの様にゃいかねェぞ」
不敵な笑みでサンジは相手を見返した。