第61章 決戦の舞台
確実に王女をしとめるため幹部たちもまた三つに散った。
視界の隅ぎりぎりに映るカルガモの背を追う。
その姿にミス・ダブルフィンガーは違和感を覚えた。
いくら首都内とはいえアラバスタ最速の超カルガモが生身の自分たちを振りほどけないわけがない。
誘導されている…?と気づいた時にはもう遅かった。
「ストップストップ!…あなた達勘がいいわ。そうあたしが本物のビビ王女よ♪」
「何言って…!いやいや、私がビビ王女よ!」
追っていた影が止まる。
同時期にまた他の門でもカルガモたちは足を止めていた。
「さぁ、正解は……?」
「「「残念、ハズレ!」」」
誰もいなくなった西門を、少し離れた岩の陰から覗く者があった。
「行ったみたいだな」
「ありがとうみんな……」
「急ごうビビ。もう反乱軍がそこまで来てる」
カルーに乗るビビを砂ぞりを準備する水琴とエースが促す。
「この反乱を止めないと」
「……えぇ」
目指すは南門。