第61章 決戦の舞台
「さっさと言わねぇかいこのウスノロダルマ!」
ミス・メリークリスマスが双眼鏡を奪い取り覗く。
「……カルガモ…?」
砂煙を上げて超カルガモが並び走る。
その数は六つ。
「数が増えてないかい?!六人いる!リストから麦わらを外して残りは四人だろ!」
「社長の話を聞いてなかったのミス・メリークリスマス。Mr.プリンスがいる…
複数いると言っていたから二人増えてても問題はないわ」
「何人増えようと標的は王女一人だ。何をうろたえている」
「王女一人?じゃあMr.1…」
Mr.1の言葉にミス・メリークリスマスは小さく呻く。
「一体どれが王女だと思うんだい…?!」
迫る影は皆同じフードを被っていた。
目深に被っているため容姿で判別は出来ない。
「んげげっ!同じマント!!」
「しかもあれは超カルガモ…やっかいね」
悠長に見ていればすぐにまかれてしまうだろう。
この際誰が王女かなど気にしてはいられない。
「やっちまいなMr.4!!」
ミス・メリークリスマスの声にMr.4がバズーカを構え撃つ。
走る王女たちの目の前に落ちた弾は時限式で、うまくいけばちょうど彼らの真ん中で爆発するはずだった。
しかし勘のいい者がいるのか、直前でかわされカルガモたちは四方へ散る。
「そうか、別々の門から入る気ね…!」
西側から通れる門は全部で三つ。
西門、南西門、南門だ。
最初からそのつもりだったのだろう。彼らは二人ずつ別れると勢いを殺さないままそれぞれの門の方へと駆けていく。
「必殺“火炎星”!!」
目の前で爆発する火炎に気を取られた隙にMr.1の横を二つの影が抜けていった。
「あぁん?!__ドゥ!!」
さらに二つの影がMr.2・ボンクレーの横を通り過ぎる際に思い切りぶつかり轢いていく。
容赦なく轢かれ宙を舞ったMr.2はギラリと殺気の籠った目を轢いていった二体に向けた。
「追うぞ…!」
「逃がしャしないわよォ!!」
「南門はあたしらに任せな!行くよMr.4!!」