第60章 目指せアルバーナ
「その必要はねェ」
じりじりと焦がすような空気を切り裂いたのは弟のルフィの声。
クロコダイルを睨みつけたまま、ルフィは悠然と立つ。
「こいつは、おれがぶっ飛ばす」
「………」
あくまで自身を倒すと言い切るルフィにクロコダイルは目を細めた。
「…っチョッパー!出発させろ!」
「あっ、う、うん!」
絞り出すゾロの声に止まっていた時が動き出す。
チョッパーの合図で走り出したヒッコシクラブは軽快な走りでその場を離れていく。
「…ルフィさん!」
遠ざかるルフィの背中にビビが口を開いた。
「アルバーナで!待ってるから!」
その言葉にルフィが腕を上げて答える。
一人ルフィを残し、水琴達はアルバーナへと向かう。
____ユートピア作戦決行まで、あと七時間。