第59章 ギャンブルの町
砂ぞりを走らせ、途中野宿を挟み次の日の早朝。
とうとうルフィたちはレインベースへとたどり着いた。
「着いたーー!!」
「ここがレインベース…」
「なんていうか、賑やかだな」
ナノハナとはまた異なる人々で溢れかえる町中でルフィが叫びそれに続くように皆一様に息を吐く。
人の邪魔にならないようにと人気のないところへ移動すると思い思いに腰を下ろし涼を取った。
「なぁまずは一休みといこうぜ。こんな成りじゃあクロコダイルのところ乗り込んだってあっという間に返り討ちだ」
「あ、じゃあ私軽食買ってくるよ」
まずは万全な状態にしないとと言うサンジに水琴は挙手をし使いを買って出る。
「水琴ちゃん運転しっぱなしで疲れたろ。休んでていいんだぜ」
「私はエースと交代しながらだったから大丈夫。それよりみんなの方が座りっぱなしで疲れてるでしょ」
運搬用のため座り心地はあまり良くない上に、七人と荷物プラスマツゲという大所帯では狭かったことだろう。
図星なのかサンジは苦笑し否定はしなかった。
「悪いわね、水琴。ルフィ、ウソップと一緒に水買ってきて」
「おォ!!」
水が飲めることが嬉しいのか即座に頷くルフィ。
「あたしたちはここにいるわ。大丈夫だとは思うけど、海軍もうろついてるから気を付けてね」
「おれも行く。一人じゃ持ちきれねェだろ」
「ありがとエース」
荷物持ちを買って出てくれたエースを伴い町中を歩く。
「すごい人だねぇ」
「クロコダイルのお膝元だしな。安全な場所で、景気もいいとなれば自然と人も集まるだろ」
集まることができるのは国民の中でも富裕層の一部ではあるが。
身なりのいい人々に交じって明らかに浮いている者がちらほらと見られた。
きっとクロコダイルの部下たちだろう。
怪しまれないよう自然に振舞うが、エースがビリオンズの船を落としたことはとっくに知れ渡っているだろうから気づかれるのも時間の問題かもしれない。
急いだ方がいいと二人は足早にテイクアウトのできる店を探す。