第57章 砂漠の海賊
「少し時間くったな」
衝撃で緩んだロープを直している間に少し日が傾いてきた。
「早く戻らないとね」
「そろそろルフィ達も戻ってるだろ」
それからは順調に進み、ようやくバルバル団の船が見えてきた。
「あ、おーい水琴!エース!」
甲板から覗いていたチョッパーが二人の姿を見つけ大きく手を振る。
「こりゃまたどでかいの狩ってきたな」
「食ったらうまそうだな」
サンジやゾロなども出てくる。
「これでどうですか?」
出てきたバルバロッサを見上げる。
「文句ねェ!こんな短時間で大したもんだ!約束通り、ラクダは見逃してやらァ」
「良かった」
「で、ルフィはどうした?」
「それがまだなのよね。もう直だとは思うんだけど」
夕陽が地平線へ沈もうとしている。
水琴の見つめる先で、二艘の砂ぞりが見えてきた。
どうやら無事に木材を持ってこれたらしい。
その夜は甲板で宴会。
砂の上でも海の上でも、海賊が宴好きなのは変わらないらしい。
昨日は随分と寒く感じた砂漠の夜も、今日だけは暑いくらいだ。
狩りの時の話や、オアシスまでの道のり。
そして待っている間の出来事など語り合う。
ここだけの話でなく、海の上、今までの冒険など、話は尽きない。
久しぶりの宴を、皆が楽しんだ。