第56章 危険がいっぱい
ざわり、と風が揺れた。
岩陰で休むエース達の前に突如風が生まれた。
「エース!!」
その中心から水琴が飛び出す。
「どうした。荷物見つかったか?」
「違うの!いや、荷物は見つかったんだけど、トカゲが!」
「トカゲ?砂漠だからそれ位いるだろ」
慌てる水琴になんだなんだと一同が集まる。
駄目だ。一度落ち着こう。
ゆっくり深呼吸して、砂漠の向こうを指差す。
「だから、ルフィがトカゲに追いかけられて…!」
水琴が指差す先で、砂の津波が生まれた。
砂を割り現れたのは巨大なトカゲと、それから逃げるように走るラクダとルフィ。
「何あれ?!」
「あれは、サンドラオオトカゲ!!」
「な、なんだよそりゃあ…!」
「この砂漠で最大の爬虫類で、肉食なの…!」
サンドラオオトカゲはまっすぐに岩場を目指している。
「こっち来るぞ?!」
「ぎゃー!!やばい!!」
チョッパーとウソップが抱き合い叫ぶ。
その横をサンジとゾロが駆け出していった。
「お、サンジ!ゾロ!肉持って来たぞ~!」
二人に気付いたルフィがラクダから飛び降り、三人は同時にサンドラオオトカゲへ攻撃を仕掛けた。
総攻撃を受け、たまらず砂へ沈むオオトカゲ。