第56章 危険がいっぱい
「ふぅー。なんだこの草。砂漠にはおかしなもんが一杯あるんだな」
植物から逃れたルフィがざくざくと水琴へ近寄ってくる。
「あれ。どうしたんだそのラクダ」
「そこでルフィみたいに食べられそうになってたの」
「へー。うまいのかな、ラクダ」
ルフィの言葉にささっと水琴の影へ隠れるラクダ。
「怯えちゃったでしょ!変なこと言わないの」
「だってよー。肉…」
ワルサギが飛んでいった方を羨ましげに見つめる。
そう言えばすっかり忘れていた。
「はい、ルフィ」
どさりと荷物を下ろす。
「全部は無理だったけど、いくつかは取り返しといたよ」
「おぉ~!!サンキュー水琴!」
荷物を背負い嬉しそうにルフィが笑う。
「このラクダどうしよう」
「そうだな。乗せてくんねェかな」
そうすれば少しは旅路が楽になる、とラクダを二人して見上げた時だった。
ゴゴゴ、と地鳴りがする。
近くでぼうっと立っていた植物が凄まじい速さでまた地面へと潜っていった。
まるで逃げるような様子にルフィと顔を見合わせる。
「何だ…?」
「地震……?」
見当つかない二人に対してラクダは何かを悟ったようで、がたがたと震え砂漠の向こうを見つめる。
ザバァァァアアアアア!!!!
突如、砂の中から巨大なトカゲが姿を現した。